Partner : Suzaku

騎士の苦悩

事が起こったのは放課後。
僕が軍務のため帰ろうとしたその時、隣のクラスの彼女がやってきた。
今日はまだ会ってないからラッキー、とか思ってしまった僕は、後で後悔することになる。



「おっめでとーーー!!」



 の第一声はこれだ。

「えーと・・・。何が?」
「私知らなかったよ!スザクの好きな人!!私とスザクの仲なんだから、言ってくれてもいいのにーー!」

 ドキッとした。
 まさかバレた?ルルーシュ以外教えていないのに。

「これから軍務?」
「う、うん」
「もしかして騎士としてのお勤め?」
「お勤めっていうか護衛かな」
「やっぱりーーー!!」



 や、やっぱり・・・?



「初恋なの?」

「違うけど・・・初恋じゃないとダメかな?」

「全然大丈夫!ね、いつから好きなの?」

「す、少し前から・・・」

「それって騎士になる前から?」

「はっきり意識したのはそれぐらいかな・・・」

「一目見てビビッときたってやつ?」

「な、仲良くなってからかな」

「世間の目は冷たいけど、気にしなくていいよ!問題なのは2人の気持ちだから!!」

「やっぱりブリタニア人と名誉ブリタニア人ってのはマズイかな?」

「それ以前の問題もあると思うけど・・・」

「それ以前・・・?」

「でも、いざとなれば駆け落ちでも何でも・・・」

「か・・・!?駆け落ちはダメだよ!!」

「そうだね。でも取り合えず家族に認めてもらわないと」

「ちょっと早くない?」

「遅いくらいだよ!!」

「そ・・・そっか。僕、こういうのは初めてで・・・」

「安心して。私が何でも教えてあげるから。まずはお姉さんからだね」

「お姉さんなんていたの?」

「知らなかったの!?エリア11にいる人ならみんな知ってるジョーシキでしょ」

「ご・・・ごめん」

「別に謝らなくてもいいよ」

「ところでさ」

「ん?」

「そのことルルーシュに聞いたの?」

「ルルーシュには教えてたの!?ズルイ!!」

「教えたっていうか、見透かされたっていうか・・・」

「あー・・・なるほど。でもルルーシュからじゃないよ」

「じゃあ誰から?」

「コレコレ」



 そう言って彼女が取り出したのは1冊の雑誌。
その表紙に大きく出ている『特集』の文字を見て、僕はハァッと一気に脱力した。



「『特集!!ユーフェミア殿下と名誉ブリタニア人騎士の禁断の恋!
危険な香りで殿下を誘惑!?愛らしい殿下に野生の血が目覚めた!?密着取材24時』」



「・・・・・・わざわざ読んでくれてありがとう・・・」
「どーいたしまして」



 嫌味ではなく心からにっこりと笑うに、僕はハァッともう一つ溜息をつく。



「あのね、。皇女殿下や、軍か学校にいる僕に24時間も密着取材なんて無理だから」

「そーだね」

「ソレには、僕はどんな人間だって書いてあった?」

「『ユーフェミア様をたぶらかした極悪人!!』とか『ユーフェミア様を夜な夜な襲う野獣!!』、って」

「・・・・・・はソレ、信じるの?」

「まさか!スザクはスッゴクいい人だよ。ユーフェミア様は見る目があるよ」

「だから、何でそこだけ信じるの!?」

「え・・・?」

「え・・・?って・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」



 どうやら自分の大きな勘違いが分かったらしく、は僕から視線をそらす。



「えぇーと・・・。わ、私もスザクが騎士だったらいいなー・・・」

「嫌だ」

「そんなハッキリと・・・」

「騎士じゃ王子様にはなれないじゃないか」

「???」

「僕はが好きなんだよ!」

「!!!」



 そう言うと、僕は驚いている彼女横を通り抜ける。
 勢いで言ってしまったが、僕は後から自分の発言に頭を悩ませることになる。

原作に激しく逆行。
でも書いてて楽しかったです。特に特集の見出しが^^
何かヒロインがミレイ様+ロイドみたいな性格に・・・。

(07.04.04)

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